6月25日に開催された全日本選手権
この全日本選手権は、今の主戦場であるJプロツアーとは違う雰囲気、
参加する選手達のこの1戦にかける想いは格別なもの
山﨑選手にとっても、憧れであり目標の舞台
彼の特別な一日のレポートをお届けします
全日本選手権
約3年前、趣味として自転車に乗り始めた時はまさか自分がこの舞台を走るだなんて思いもしなかったレース。
当時はYoutubeにアップされたレースハイライトを、新城選手すごいな、別府選手すごいな、
などと思いながら憧れの目で観ていた。
昨年JBCFに登録し実業団レースに挑戦するにあたり、
『いつかは全日本選手権を走る』ことを目標の1つとして掲げた。
今年eNShareに加入し、チームのサポートや周りの方の応援を受けて、憧れの舞台に挑戦する権利を得た。
しっかり準備して挑もうと意気込んでいたが、5月中旬~6月初旬体調を崩してしまい、
本来予定していた準備や練習が計画どおり進められなかった。
そんな中で出場したJPT/E1交流戦日本CSCロードレースは散々で、ハイペースの周回になると心拍数が落ちず、
競技生活中初めて息苦しさを理由に脚が止まる、という状態。
全日本までの3週間、出来る限りの準備を尽くそうと切り替え100%とは言えないが、
かなり調子を上げた状態でスタートに立つことが出来た。
今できる精一杯を尽くそうと思い、前方に並び走り出した。
スタートからしばらく速いペースで進んだが、前述の交流戦の時のような息苦しさはあまり感じずに走ることができた。
有力チームの誰かが逃げたのは確認できたが、今の自分では中盤後半を見据えた際に無理は出来ないと思っていたので集団走行。
すると間もなく集団が一気にスローダウンし逃げとのタイム差が広がり始めた。
そのタイミングでタカさん(永山選手)が単独で飛び出し追走開始。
ここでもタカさんをサポートするには力不足と判断し集団に待機。
6周目の2つ目の登りを終えるところで新城選手が一気に集団先頭に上がるのを確認。
軽々と最後尾からトップまで上がる様子に感心するとともに、ここからペースが上がるのを感じ腹を括った。
案の定一気にペースが上がる。
6周回完了までしっかり位置をキープしていたが、7周目の斜度13%の区間で発生した中切れを埋められないまま下りに入る。
下りと次の登りを全開で踏んだが、集団に復帰できないまま力尽き、9周目を終える手前で足切りでDNFとなった。
結果は惨敗だったが、今の自分にできる限りの準備と、精一杯の走りをできたことは良かった。3週間前は30分持たずに脚が止まったコースを、状況は違えど2時間近く楽しめたことは、自分のトレーニングやコンディショニングが上手くいったと言えると思う。
そして何より、日本で最も格式が高いとされるレースで、JPTのレースよりも大人数の集団の中を走り、雰囲気を味わえたことは収穫である。
またコースの至る所に観客が居り、大声援を受けながら登る坂は最高に楽しかった。
あんな声援を受けて走ったのは初めてだった。
メイン集団から千切れてからも、「eNShare頑張れ!」と応援の声をかけていただいた。
きっとタカさんがアツい走りをしていたから、とは思うが、チームへの応援は力が湧いたし、
自分もあんな風に人の心を動かす走りができるようになりたいと思った。
今回全日本ロードに挑戦するにあたり、本当にたくさんの方々に支えていただいた。
何よりチームには長距離の移動や暑い中での現地でのサポートをしていただき、感謝の気持ちでいっぱいである。
次出る時は、もっと応援し甲斐のある選手となれるよう、ここから再スタートのつもりで力をつけていきたい。
phote by ShizuFurusaka